
胚 (受精卵) の凍結保存
体外受精・胚移植では子宮に移植する胚の数が多くなるほど妊娠率が高くなります。
しかし、あまり沢山の胚を移植すると多胎妊娠の率が急激に高くなります。
多胎妊娠では、流産や妊娠中の合併症の頻度が高くなるだけでなく、早産すなわち未熟児出産が避けられません。
そのため当院では移植する胚の数は原則として1個としています。
沢山の卵子が採取されて多数の胚が得られた場合には、胚が移植されずに残ることがあります。
この余剰の胚を凍結保存し、新鮮胚の移植で妊娠しなかった場合には、次周期以降に解凍移植します。
※ 多数の卵子が採取され、多数の受精卵が得られると予想される場合には、
余剰の受精卵・胚の凍結保存を希望されるかお聞きします。
凍結を希望される場合には、同意書を提出していただきます。
※ 新鮮胚の移植後に形態と発育能が良好な余剰胚を凍結します。
※ 新鮮胚の移植で妊娠しなかった場合には、次周期以降に凍結保存胚を解凍移植します。
※ 解凍胚の移植の際には原則として排卵誘発剤は使いませんが、
自然排卵がない場合には、クロミフェンなどで排卵を起こします。
※ 排卵の3〜4日前から通院していただき、超音波と採血などで排卵を確認して解凍移植の日時を決めます。
※排卵誘発剤を使っても排卵が起こらない場合には、
卵胞ホルモン と黄体ホルモンの内服薬、膣錠、注射などにより人工的に着床の環境を整えて解凍移植することもあります。
※ 凍結解凍により胚が傷害を受けることがあります。もしも解凍した胚の全てがダメージを受けていたなら、胚移植はできません。
しかし凍結時に発育が正常な良好胚は、凍結解凍による傷害を受けることは稀です。
※排卵誘発剤により多数の卵胞が発育して卵巣過剰刺激症候群が起こる可能性が高い場合には、
採卵に引き続いての胚移植を中止し、全ての胚を凍結保存することがあります。
※ 凍結胚の保存期間は1年以内とさせていただきます。
1年を経過した時点で廃棄いたします。
1年以上の保存を希望される場合には来院して下さい。
ご相談の上、可能な範囲で凍結保存を継続いたしますが、継続する場合でも、保存期間は保存開始から最長3年といたします。